Travelogue

STAMPSの旅の記録

| utilité |

現代の女性に寄り添う“有用”な服

女性的なあしらいを取り入れた、オリジナルブランド「utilité」。
生まれたきっかけとものづくりについてご紹介します。

「utilité(ユティリテ)」は、STAMPSが2016年に立ち上げたオリジナルブランドです。美しいレースやたっぷりとしたドレープ、こまやかなタックといったあしらいを取り入れたフェミニンなデザインは、「utilité」のアイコンといえます。

STAMPSのもうひとつのオリジナルブランド「STAMP AND DIARY」はシンプルかつベーシックで、どこか中性的な雰囲気のものが多いので、このふたつはまったく異なるコンセプトだと思われがちなのですが、実はどちらも「女性のスタンダード」を追求しています。

2020年秋冬に展開する「utilité」の「ヨーク刺繍ブラウス」。ヨーク部分に施したたっぷりとしたギャザーが華やかな印象。ヨーク部分には、福井の刺繍工場で製作したSTAMPSオリジナルの刺繍をあしらった。フォークロア調のデザインが目を引く〈1〉

永く愛される女性的なあしらい

「utilité」は、パリの蚤の市で見つけたアンティークドレスや、パリの女性たちのシックな着こなしからインスピレーションを得ています。レースやタック、ギャザー、ドレープ……。「utilité」で用いられているこれらのあしらいは、ヨーロッパの古着を見てもわかるように、何百年も前から存在していたクラシカルなもので、現在に至るまでたくさんの女性を虜にしてきました。実は、パリにはレースやタックだけを扱う店があるほど。女性にとってはこうしたフェミニンな要素も「スタンダード」なのではないかと考えたのです。

パリにはレースや刺繍、タックの専門店が多数ある。こうしたフェミニンな要素が、昔から女性たちを魅了していることがわかる

一方で、モノトーンやネイビーなど、色合いはシックなトーンに。“今”の空気が加わると同時に、かわいらしい印象のあるこれらのあしらいも、大人っぽい印象になります。パリでは、高齢の女性がレースやたっぷりとギャザーの入った服を身につけている姿をよく見かけます。自然体で、どこかこなれた印象があって、かっこいい彼女たちの着こなし。そんなふうに、大人の女性にも似合う服を目指しました。

旅先で出会ったパリの女性たち。年齢を重ねても、自分らしい着こなしを楽しむその姿が、「utilité」のイメージソースになっている

さまざまなシーンで活躍する「暮らしの道具」

「utilité」を立ちあげる上で、もうひとつ大切にしたいコンセプトがありました。「utilité」は「utility」のフランス語で、「有用である」「役に立つ」といった意味をもちます。その名のとおり、女性が大切な毎日を過ごすなかで、オンもオフも、カジュアルもフォーマルも、あらゆる場面で活躍するアイテムがあったら便利なのではないかと考えました。

写真上:「utilité」の2020年秋冬に展開する「ウールチェックプリントワンピース」は軽やかで温かく、寒い季節にぴったり〈2〉 写真下:「utilité」は、着心地のよさはもちろん、袖をとおすと気分が高まるような服を提案〈3〉

家事、子育て、仕事……現代の女性って本当に忙しいと思います。スーパーにちょっと買い物に出てみたら、ばったり友人に会ったからそのままカフェでお茶をしよう。仕事が長引いてしまったから、帰りに保育園に立ち寄って子どもを迎えに行こう。目指したのは、そんなふうにさまざまなシーンで活用できる「暮らしの道具」です。

デニムなどラフなボトムに合わせてもカジュアルな印象になりすぎないカットソーや、デイリーに着られるのはもちろん、大ぶりなアクセサリーを合わせればパーティーのようなはなやかな場所にも着ていけるワンピース、冠婚葬祭などきちんとした場に最適でありながら、ちゃんと個性が感じられて普段着にもできるオケージョンドレス。どれも品があるけれど、肩ひじ張らずに着られて、着心地がいい。ワードローブに加えると便利な1着です。

「STAMP AND DIARY」が家の中で気持ちよく過ごすための日常着であるのに対し、「utilité」はお出かけが楽しくなるアイテムも数多く揃えていて、バッグや晴雨兼用の傘、ストールなどの小物を提案しているのも特徴です。「utilité」のものづくりが、女性が心地よく、楽しく暮らすための一助になれば、うれしいなと思います。

PHOTO:
三浦伸一(1)
山本あゆみ(2,3)
TEXT:
古山京子(HELLO, FINE DAY!)

Travelogue CHAPTER03_utilité

現代の女性に寄り添う“有用”な服