STAMPSが、2020年から取り扱いをスタートしたシープスキンブランド「Owen Barry(オーエンバリー)」。保温性と通気性に優れ、なめらかな手触りと自然で美しい毛艶をもつシープスキンを使った服飾雑貨とインテリアアイテムをラインナップしています。
シープスキンの特徴は、何と言ってもふわふわとした羊毛。この羊毛は熱伝導率が極めて低く、外気を断ち切る役割を担います。「手入れが大変そう…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、表面が撥水性の高い物質で覆われているため、実は水滴や汚れなどがつきにくいんです。
そして、羊毛の種類や加工の違いでさまざまな表情を見せるのも魅力のひとつ。今回は、Owen Barryで使用している素材の特徴とこの冬におすすめしたいアイテムをご紹介いたします。
シープスキンの個性を生かして
Owen Barryの革の原産は、フランスやスペイン、イギリスなどが中心。というのも、羊の生育環境がシープスキンの質を左右するため。羊が育てられている牧場のなかには、環境が劣悪なところもありますが、Owen Barryではそうした牧場で生産される革を使うことは一切ありません。環境の整った地域で育てられた、美しい毛並みの丈夫なシープスキンだけを厳選しています。
また、羊の原産地や種類によっても、質感や毛の長さ、強度などが異なります。Owen Barryではさまざまな地域のタナリーとパートナーシップを結んでいますがそれは製品に適した素材を選ぶためでもあります。
たとえば、スペインやフランス原産の革は柔らかく加工がしやすいことから、主に服飾雑貨として使用されます。この冬人気のフィンガーレスのミトンは、外側はしっとりとなめらかなレザー、内側がふわふわのムートン。グローブは素肌に触れるものなので、肌当たりのやわらかい、「フレンチメリノ」と呼ばれるフランス産のメリノ種のシープスキンが選ばれているのです。
写真左:フィンガーレスミトン<WARE>とポーチバッグ<DARWEN>には、柔らかな質感の「フレンチメリノ」を使用〈2〉 写真右:ラグに用いられている「UK カーリー」は、イギリス産の丈夫な革。丸まった毛質をさらにカールさせている〈3〉
一方、イギリスやスウェーデンなど寒い地域の革は厚く丈夫なので、インテリアの素材として使用されます。ラグやシートパッドで使用しているのは、「UK カーリー」というイギリス産の皮革。くるくるとしたそのままの毛質を生かしたもので、適度な弾力をもっています。インテリアアイテムに最適な硬さと頑丈さがあり、体重がかかってもへたりにくいのが特徴です。
素材感で空間にアクセントをプラス
前回のTRAVELOGUEでもご紹介したように、イギリス人の衣食住に羊は欠かせない存在。特に冬の寒さが厳しいエリアでは、住まいにシープスキンの特性を生かしたインテリアアイテムが取り入れられています。家で過ごす時間が増えた今年、STAMPSでも冬を心地よく過ごすためのインテリアアイテムを、たくさんそろえました。その中のいくつかをピックアップしてご紹介します。
写真左:コンパクトなラグは足元に敷くだけでなく、椅子の座面に置けばあたたかく過ごせる。ゆったりと読書をしたり、お酒を飲むスペースに〈5〉 写真右:シープスキンのシートパッドは、ありそうでなかったモダンな雰囲気〈6〉
羊の形そのままのコンパクトなラグは、一人がちょうど座れるくらいのサイズ。実はこのサイズ感がポイントで、ラグとして足元に敷くのはもちろん、シートパッドとして椅子やソファの座面に置くこともでき、ひとつのアイテムでインテリアの雰囲気をがらっと変えることができます。色違いのラグを何枚か組み合わせて、クッションなどを置き、あたたかな床座のスペースを作るのもおすすめです。
「椅子に腰掛けると、ひんやりと冷たいし、硬くて長く座ると疲れてしまう。でも、椅子に置ける素敵なクッションが見つからない……」。そんな方におすすめなのがシートパッドです。腰まわりやお尻をふわりと包み込んでくれる上、インテリアを邪魔するどころか、空間に豊かな表情を添えてくれます。リモートワークになり、自宅のダイニングでお仕事をされている方にもおすすめしたいアイテムです。
家で過ごす時間が増えたからなのか、ルームシューズも手にとっていただく機会が多いアイテムです。ふわふわとやわらかく、また軽いのですが、底に芯が入っていて、歩きやすさにもしっかりと配慮されています。蒸れるのでは?と心配されるかたもいらっしゃるかもしれませんが、前述のとおり、シープスキンは通気性が高いため、裸足で履いても蒸れにくく、化学繊維やコットンのスリッパよりも快適な履き心地です。