春は新しい出会い、はじまりの季節。
あたたかな春の日差しには、真っ白なシャツがよく似合います。新生活を迎えて、白いシャツをワードローブにプラスしたいと考えている方も多いのでは?
「STAMP AND DIARY」で、毎シーズン欠かさず展開してきた白いシャツ。一年のなかでも春夏は、さまざまなデザインを用意している〈1〉
真っ白のシャツに袖をとおしたときの、すっと背筋が伸びるような心地よさ……。お気に入りの一着は、憂鬱な気分を忘れさせてくれる“魔法の力”をもっています。
私たちは、そんな「白いシャツ」の魔法がもたらす感覚が、とても好きです。だからこそ、「STAMP AND DIARY(スタンプアンドダイアリー)」では、2013年のブランド設立からずっと白いシャツを作り続けてきました。
作りたいのは、日本の女性が似合う白いシャツ
「STAMP AND DIARY」で白いシャツを作るときにヒントとなっているのが、ディレクターの吉川が目にした、フランスやイギリス、フィンランドなど、ヨーロッパに暮らす大人の女性の白いシャツの着こなしです。
ヨーロッパで出会った女性たちの着こなしは、とても素敵でした。なぜなら、そこに彼女たちの個性がにじみ出ていたから。
自分の体型とのバランスを図っていたり、よく見ると素材やディテールに小さなこだわりがあったり。白いシャツという一見シンプルなそのアイテムも、計算しつくした上で選んでいるのだと思ったのです。
私たちは、そんなふうに日本の女性が素敵に着こなせる白いシャツを作りたいと考えました。
洗いざらしでも品があるコットン
素材選びで大切にしているのは、着心地の良さはもちろんのこと、「形」を美しく見せられるかどうか。色や柄をもたない真っ白のシャツは、一番に「形」が目に入ってきます。ハリのある素材を選ぶのか、しなやかな素材を選ぶのかで“落ち感”が変わり、着たときの「形」が決まります。
写真左:「スモールカラーブラウス」も定番。2021年春はオリジナル生地の「プレミアムクロスGIZA」を使用。シャキっとした清涼感のある質感ながらなめらかで、肌に触れたときに気持ちがいい〈2〉 写真右:共布を使用したクルミボタンがアクセント〈3〉
「STAMP AND DIARY」では素材にとことんこだわり、毎シーズンさまざまな生地で白いシャツを作ることにチャレンジしています。オリジナルの生地を1から製作することもあれば、信頼する生地メーカーさんがもっている生地から、そのシーズンに作りたいデザインや気分に合うものを選ぶことも。
いずれもコットン100%で、すべりが良く、シャキッとコシのある質感で、厚く重いものではなく、軽やかで少しカジュアル感があるもの。洗いざらしのままラフに着ても品があり、きちんとした印象に見える素材です。
2021年春は、「STAMP AND DIARY」のオリジナル生地「プレミアムクロスGIZA」を使用したシャツを展開。GIZAとは、世界三大綿のひとつであるエジプト綿のなかでも、エジプト・ギザ地方でのみ栽培される、高品質の希少な超長綿。このGIZAを用い、ハリ感を抑えると同時に、しなやかでなめらかな質感を追求した高密度ポプリンを作りました。
白いシャツはブランドオリジナルの生地「プレミアムリネン」でも製作。毛足の長い麻を原料に、通常の麻生地よりも1.5倍の糸を打ち込むことで、シャープなシルエットが生まれる〈4〉
また初夏には、シルクのような風合いをもち、ふわりと空気を含んだ清涼感のある「スイスコットン」のシャツも登場します。この生地もオリジナルで、紡績技術に優れるスイスで紡いだ80番単糸という極細い糸を用いて織り上げているので、きれいで安定した「白」が出ています。少し透け感があって涼やかな印象で、暑さが増していくこれからの季節にぴったりな素材です。
ボトムにラフに合わせて様になるデザイン
「STAMP AND DIARY」の白いシャツは、季節に合わせて袖の丈を変えたり、襟に小さなあしらいを添えたりと、その時々でアレンジを加えることもありますが、多くは何年も作り続けている定番のデザインです。
デザインを決める際に大切にしているのは、“シンプルに着られる”こと。トレンドに左右されず、飽きのこないデザインをベースに、着る人の個性がにじみ出てくるようなディテールを追求しています。
たとえば、裾まわり。裾が緩やかにラウンドしていたり、前身ごろよりも後ろ身ごろを長くとっていたりすることで、裾をアウトして着ても様になるし、インすればすっきりと着られます。きれいめなボトムと合わせれば、仕事やきちんとした場にも最適です。
写真左:「STAMP AND DIARY」の白いシャツにはすべて襟があしらわているが、小さなラウンドカラーやスタンドカラーなどひかえめ。品のある女性らしさを表現している〈5〉 写真右:2013年から素材を変えて毎シーズン作っている「ビッグブラウス」。たっぷりと身幅をとっているためリラックス感がありながら、8分袖やオフショルダーなど、華奢に見えるディテールを追求〈6〉
女性らしさを少しだけプラスしているのも特徴です。長袖の場合、袖を7〜9分丈にして手首を出すことで華奢な印象に。また、いずれのシャツにも襟がついています。小さな襟やスタンドカラーといった控えめなあしらいなので、品のある表情になっています。
「STAMP AND DIARY」には、ブランドを代表する2つのシャツ「ビッグブラウス」と「バックタックブラウス」があります。
ビッグブラウス
身幅をたっぷりととったボックス型のブラウス。少しだけ後ろの丈を長くし、ドレープをあしらうことで、体型をカバーしながら立体感のあるシルエットを作り出しています。体型をすっきりと見せるのは、ドロップショルダーと7分袖のデザイン。パンツとの相性がよく、ざっくりと合わせただけでこなれた印象に。
ブラウスとして着るのはもちろん、前ボタンを開けて羽織りや薄手のジャケットとして使っても◎。オールシーズン使えるので、ワードローブにあると便利な1着です。
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バックタックブラウス
前身ごろが1枚布でできていて、後ろがバックボタンとなっている、かろやかなブラウス。肩甲骨部分にタックをあしらい、裾に向かってふわりと広がるデザインと、小さな丸襟とフレンチスリーブで女性らしさを演出。後ろ身ごろの丈が少し長めで、さりげなくヒップをカバーします。
このデザインのインスピレーションのもととなっているのは、ディレクターの吉川がパリで通っていたビストロの女性スタッフが着ていた制服。かわいらしさときちんとした印象をもち合わせているのは、そうしたストーリーがあるからかもしれません。
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このほか、白いシャツは毎シーズン、7型以上のデザインを展開。特に春夏はバリエーションを豊富にそろえています。皆さまのお気に入りの一着が見つかれば、とてもうれしいです。
そして、白いシャツは同じく「STAMP AND DIARY」の定番となった「刺繍のブラウス」へと派生していきます。そのお話はまたの機会に。
- PHOTO:
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有賀 傑(TOP,1,2,4〜7)
三浦伸一(3、8)
矢郷 桃(9)
- TEXT:
- 古山京子(HELLO, FINE DAY!)