Travelogue

| Owen Barry |

「シンプル」を「個性」にする。
GALERIE VIE×Owen Barry

冬に恋しくなる、ふわふわでなめらかなシープスキン。シープスキンファクトリー「Owen Barry」のバッグやホームウェア、インテリアアイテムが一同に会するPOP UPが、GALERIE VIEで開催中です。

 朝夕と空気がぐっと冷たくなりました。あたたかに冬を越すためのインテリアアイテムを探している人も多いかもしれません。STAMPSが展開する、イギリス最古のシープスキンファクトリー「Owen Barry(オーエンバリー)」への問い合わせも多くいただくようになりました。

 2021年の冬は、Owen Barryに実際に触れていただけるイベントが目白押しです。そのひとつが「GALERIE VIE(以下、ギャルリー・ヴィー)」の丸の内店、自由が丘店でのPOP UP。今回は、STAMPS代表の吉川が丸の内店に伺い、ギャルリー・ヴィーのバイヤーである影山さおりさんに、Owen Barryの魅力について伺いました。
GALERIE VIEのwebサイトはこちら

東京・丸の内の新丸の内ビルディング2Fにあるギャルリー・ヴィー丸の内店。白を基調としながら、さまざまな素材が用いられた奥行きのある空間が目を引く

潔いからこそ、素材のよさが伝わる

吉川修一(以下、吉川) ギャルリー・ヴィーでは、私たちが販売代理店を務める前からOwen Barryを取り扱ってくださっています。何年くらいになるでしょうか。

影山さおりさん(以下、影山) 私がバイヤーになる前からでしたので、かれこれ10年くらいになるでしょうか。毎年、秋冬に欠かさずバッグをオーダーさせていただいていて、Owen Barryが届くと「あぁ、今年も冬が来るな」と感じます。

吉川 いつも本当にありがとうございます。

STAMPSディレクターの吉川が、ギャルリー・ヴィー丸の内店で開催中のOwen BarryのPOP UPに伺い、バイヤーの影山さんに改めてOwen Barryの魅力を聞いた

–––毎年、Owen Barryを選び続けているのは、どんな理由からでしょうか。

影山 いずれもギャルリー・ヴィーの別注でつくっていただいているのですが、私たちのリクエストにいつも真摯に応えてくださるんです。パーツが気になるとか、持ち手の幅を少し変えたいとか、かなり細かい要望をしてしまうんですが。素材や縫製などのクオリティーが素晴らしいのはもちろん、そうしたお人柄や真摯なものづくりにも共感しています。

それと、一般的にシープスキンというと高級なイメージがあると思うんですが、Owen Barryは少し手を伸ばせば買える価格帯。日常に寄り添っていて、気兼ねなく使えるというのは、とても大事なことだと思っています。Owen Barryは何をとってもバランスがいいですよね。なかなかそういうブランドは少ないので。

吉川 あと以前、影山さんがおっしゃっていたのは、一般的にレザーはハードなイメージがあるけれど、Owen Barryはそうじゃないと。

影山 はい。Owen Barryはやわらかさがあって、雰囲気がすごくいい。削ぎ落とされているので、シンプルに素材の良さが伝わってきますよね。ギャルリー・ヴィーの洋服のコーディネートにもなじみます。そのブランドやメーカー、ファクトリーがもつ特性ってあると思うのですが、Owen Barryとギャルリー・ヴィーは、その根っこの部分、人物像が合っているな、と感じます。

シープスキンをバランスよくあしらって
洗練された雰囲気に

–––今年、ギャルリー・ヴィーで展開するバッグについて教えてください。

影山 今年は3型で、2型はベージュとグレー、1型はベージュとネイビーと白を展開しています。カラーはその年のムードでセレクトしているのですが、実は白を選んだのは久しぶり。冬って洋服が暗くなりがちなので、白という色は重宝するんです。抜け感も出ますしね。

写真左:下半分にシープスキンをあしらった「RISBY ムートンレザーコンビ トートバッグ」 は、ギャルリー・ヴィーの秋冬の定番ともいえるバッグ。影山さん自身も、同じ形を愛用中。ベージュとグレーを展開 写真右:「EPWORTHS ムートンバッグ」は、キューブ型で見た目よりも大容量。やわらかなレザーのため、持ったときにくたっと落ちるが、その姿も計算したうえで形を決定している。こちらもベージュとグレーを展開

「RISBY ムートンレザーコンビ トートバッグ」は長年、ギャルリー・ヴィーで展開する定番。私も同じ形で明るめのベージュのものを愛用しているのですが、コンパクトに見えて、ものがたくさん入るんですよ。「使いやすいから」と、色違いを買い足すお客さまもいらっしゃいます。

この「EPWORTHS ムートンバッグ」は2018年から展開していて、初年度はキャンセル待ちになるほど人気でした。サイコロみたいな形で、革がやわらかいのでくたっとなるんですけど、この余りの部分がちょうど良く体に馴染むんです。

「YATTON ムートンレザーコンビ ワンハンドルトートバッグ」は、ボディの片面にのみシープスキンをあしらうことで、かろやかで洗練された雰囲気となっている。写真のホワイトは、ギャルリー・ヴィーが久しぶりにセレクトしたカラー。このバッグは白、ベージュ、ネイビーの3色展開

今回、一番大きいのが「YATTON ムートンレザーコンビ ワンハンドルトートバッグ」。実は、これは何年か前に展開した形のリバイバル。持ち手が1本で斜めに付けられているのですが、腕を通しやすくて体にぴたっと沿うように持てる。荷物がたくさん入るんですけど、入れなくても形がきれい。

吉川 デザインを決める時は、持ったときの雰囲気も考えていらっしゃいますよね。

影山 はい。持ったときのバッグの佇まい、見え方はかなり考えています。あと、毎年そうなんですが、毛足のあるシープスキンとなめらかなレザーのコンビにしているところもポイントです。シープスキンを全面にあしらうと、ちょっとゴージャスな雰囲気になってしまうので、部分使いにするようにしています。

吉川 これまでシープスキンに挑戦できなかった方も、取り入れやすいように思いますね。

影山 そうなんです。毛足が長すぎないので、カジュアルな装いにも合うし、お仕事でお使いになる方もいらっしゃいますね。

“白”を基調に、
シープスキンでニュアンスをプラス

–––この冬、ギャルリー・ヴィーでは、Owen BarryのPOP UPが丸の内店、自由が丘店で開催されます。バッグ以外の服飾雑貨やインテリアアイテムが並ぶのは初めてのこととか。

吉川 STAMPSは、輸入代理店を務めていた会社から引き継ぐかたちで、昨年からOwen Barryを日本でご紹介しています。その際、バッグやグローブなどの服飾雑貨だけでなく、インテリアアイテムも展開することになりました。

Owen Barryが生まれたイギリスは、スーパーに羊肉が常に並ぶほど、“羊”が暮らしに欠かせない存在です。また、イギリスはとても寒い国。冬をあたたかく過ごすため、食肉加工の副産物であるシープスキンを、服飾雑貨をはじめ、ラグやクッションなどのインテリアアイテムに活用しています。これらのアイテムをトータルでお見せして、Owen Barryのブランドとしての世界観をたくさんの方に感じてもらえたらという思いがあり、影山さんにご相談させていただいたんです。

写真上:Owen Barry POP UP開催中のギャルリー・ヴィー丸の内店のショーウインドー。ギャルリー・ヴィーが大切に考える“白”でスタイリングされており、シンプルながら奥行きを感じさせる空間となっている 写真下:ギャルリー・ヴィーのウールニット、Owen Barryのジレで、ワントーンコーディネートを提案。自由が丘店のPOP UPでは、ジレのラインナップが増える予定

影山 ギャルリー・ヴィーはフランス語で“生活のギャラリー”という意味で、洋服を通してその人の暮らしやライフスタイルを提案したいというコンセプトがあります。だから、Owen Barryの世界観をトータルで感じてもらえる機会があることは、すごく大事じゃないかと思いました。ありがたいお話をいただいて、感謝しています。

吉川 ギャルリー・ヴィーは、日本で唯一といっても過言ではないほど、独自の世界観をもっているブランドだと思っています。僕自身も、ギャルリー・ヴィーがOwen Barryをどう表現してくださるのか、拝見してみたかった。

影山 ギャルリー・ヴィーでは“白”というカラーを大切にしていますので、今回、丸の内店ではソファとシェルフ、コートハンガーなど家具を白で統一しました。そこにコーディネートしたラグやクッション、ルームシューズといったOwen Barryのアイテムは、白を中心とした明るい色を基調としつつ、グレーをあしらいました。ギャルリー・ヴィーの白いニットに、Owen Barryの白いジレを合わせて、今年っぽいスタイリングを提案したり。

ショーウインドーの位置なので、通路を通る方が興味を持って見てくださっていますね。昨日、インスタグラムにこちらの様子をアップしたら、さっそく大阪のスタッフから「あの湯たんぽ、かわいい! ほしい!」と反応がありました(笑)。

写真左:ブランド名のギャルリー・ヴィーは、フランス語で“生活のギャラリー”。洋服と共に、アートや花器、本などが見事にスタイリングされている  写真右:Owen Barryで人気の羊のドアストッパーも

吉川 まさに“ギャルリー・ヴィー”の世界観で表現してくださって、うれしいです。ギャルリー・ヴィーは、洋服や服飾雑貨はもちろん素敵ですが、お店に置かれている家具やインテリア小物、アートにいつも目が行く。どれも日本にはない、海外のにおいがするものというか。そんなふうに注目していらっしゃるお客さまも多いのではないかと思うので、Owen Barryも見ていただけるといいですね。

影山 ギャルリー・ヴィーで展開する洋服はシンプルなので、服飾小物や雑貨は少しだけアクセントになるものを提案しています。今日の私のコーディネートも、これだけだとシンプルで少しさみしいですが、Owen Barryのバッグが加わるとバランスがとれる。それもやりすぎていない感じで。

Owen Barryのインテリアアイテムも同じですよね。シンプルな空間のなかに、シープスキンのクッションがひとつ置いてあるだけで、雰囲気ががらっと変わります。個人的にもこのクッションをねらっています。湯たんぽもかわいいですよね(笑)。

写真上:白いソファの上には、ギャルリー・ヴィーの白いシャツと共に、Owen Barryのクッションが。白を基調としながらも、アクセントカラーにグレーを用いて奥行きのある空間を演出 写真下:2021年秋冬、人気のルームシューズにスリッパタイプも登場

吉川 実は、本国もこのPOP UPをとても楽しみにしていたんですよ。代表のシンディも、30年ほどセールスを担当しているケンも。パンデミック前までは、毎年この時期にケンが来日して、影山さんと翌年の打合せをしていますよね。ギャルリー・ヴィーとはお付き合いが長いし、影山さんをとても信頼していて、メールでしょっちゅう「影山さんは元気か」と聞いてくるんです(笑)。

昨日、POP UPの写真を送ったところ、とても感激していました。彼らが言うには、こうして日本でOwen Barryを素敵に表現してくれているのを見ることが、職人たちのプライドにつながるんだと。

影山 本当ですか! うれしいです。ケンさん、親しみやすくて、お人柄が素晴らしいですよね。こうしてギャルリー・ヴィーでOwen Barryをご紹介できるのも、職人のみなさんあってのこと。ましてや大変な世の中でものづくりを続けられているのはご苦労もあることと思います。こちらこそ、いつも感謝しています。

影山さおりさん 株式会社トゥモローランド 商品部バイヤー。2007年に入社後、店舗勤務や店舗のディレクション業務等を経て、2017年から「GALERIE VIE」のバイヤーに。 https://galerievie.jp/

PHOTO:
矢郷 桃
EDIT&TEXT:
古山京子(Hi inc.)

Owen Barry POP UP STORE @ GALERIE VIE

ギャルリー・ヴィー別注のバッグをはじめ、ホームウェア、ラグやルームシューズなど人気のインテリアアイテムが一同に会するPOP UP SHOPです。ぜひお越しください。

ギャルリー・ヴィー丸の内店
会期:10月27日(水)〜11月7日(日)
住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 2F
TEL.03-5224-8677
営業時間:11:00~21:00

ギャルリー・ヴィー 自由が丘店
会期:11月23日(火)〜11月30日(火)
住所:東京都目黒区自由が丘2-9-23
TEL.03-3725-2577
営業時間 :11:00~19:00
Instagram @galerievie_jp

Travelogue CHAPTER04_Owen Barry

「シンプル」を「個性」にする。
GALERIE VIE×Owen Barry